コークス事業
COKE

高品質なコークスを国内へ。世界へ。

事業概要

コークス事業は1950年代から70年以上に渡って受け継がれてきた、日本コークス工業の基幹事業です。さまざまな産業の基盤となる製鉄や非鉄金属の精錬に欠かせない燃料=コークスの生産・供給を担い、国内屈指のメーカーとして地位を確立しています。
長年の経験に基づく高度な原料配合技術・焼成技術を活かした、高品質な高炉用・鋳物用コークスは高く評価され、国内への供給はもとより海外にも輸出を行っています。
また、当社のコークス製造プロセスは、コークス製造工程で使用する燃料ガスは原料炭由来のCOGガスを使用し、工場の電力はコークスを消火する際の排熱を回収した自家発電を使用するなどエネルギーを循環させるエコな製造プロセスを実現しています。

■ エコ製造プロセス概念図

環境への負荷を極力抑えた循環型のエコな製造プロセスを実現
コークス事業部のエコ製造プロセス概念図

コークスの種類

高炉用コークス

製鉄所の高炉において、鉄鉱石を溶かすための熱源として使われるほか、鉄鉱石に含まれる酸素を取り除く還元剤や溶けた鉄や還元ガスの通路を確保するスペーサーとしても重要な役割を果たします。

鋳物用コークス

自動車のエンジンやホイール、産業機械などを鋳造する際などに、金属を溶かすための熱源として高い熱量を発生するコークスが使われます。

一般用コークス

コークスの粒度や性質に応じて、非鉄精錬、石灰焼成、合金鉄製造、各種化成品製造など、さまざまな用途に用いられています。

コークスの製造プロセス

STEP.1
原料炭受け入れ

世界各国からさまざまな銘柄の石炭を調達。大型外洋船2隻が同時接岸でき、最大15万トン級の大型船も接岸できる自社専用埠頭で、アンローダーと呼ばれる石炭陸揚げ設備を使って荷揚げし、銘柄別に貯炭場へと搬入します

STEP.2
粉砕・配合

コークス用石炭は入荷時に自社分析所で品質チェックを行い、厳しい検査をクリアした石炭を製造に適した粒度に粉砕。求められるコークスの品質に合わせて、さまざまな銘柄の石炭を配合します。

STEP.3
コークス炉

粉砕・配合された石炭を、無人装炭車でコークス炉に装入。当社では計200門のコークス炉を配備し、約1,200°Cの高温で蒸し焼きにします。

STEP.4
押出

約17時間 蒸し焼きにされた石炭は赤熱コークスとなり、押出機によって押し出され、消火工程へ運ばれます。

STEP.5
消火(コークス乾式消火:CDQ)

真っ赤になったコークスを循環ガスによって消火し、発生する熱量を電力に変換。毎日、北九州市の家庭使用電力の約5分の1相当(約90万kW)を発電し、工場内のすべての電力を賄うと共に、余剰電力は日本製鉄(株)九州製鉄所や地元企業に売電しています。

STEP.6
出荷

生成されたコークスは厳しい品質チェックを受け、コークスヤード(貯骸場)で保管された後、国内の各製鉄会社、非鉄金属会社、自動車メーカーはもとより、アメリカ、ブラジル、インドなど広く海外へと出荷されます。

STEP.7
化成品の再利用

原料炭の4分の3がコークスとなり、残りの4分の1はガス生成工程を経て、水素が主成分であるCOG(コークス炉ガス)や軽油、タールなどの化成品として回収・再利用されます。

詳しいコークス製造プロセスについては
こちらの動画をご覧ください。

プレイ

社会に欠かせない
唯一無二の役割を担うコークス

高い発熱量と強度を有するコークスは、鉄鉱石と並んで鉄の二大原料であるほか、ガラスの原料やカーバイド、亜鉛、ステンレスなどの非鉄精錬にも欠かせない材料です。ものづくりや暮らしを広く支えています。

高品質×環境負荷低減の両立

より質の高いコークス製造技術の探求はもちろん、環境負荷の軽減を追求することも私たちの重要なテーマです。製造過程におけるエネルギーの再利用やCO2削減につながる取り組みをさまざまに進めています。

コークス炉での廃熱回収・再利用

コークス炉から押し出された赤熱コークスを乾式消火して熱回収するCDQ設備を、全炉に設置しています。回収した熱は電力に変換して再利用し、事業所内の全電力を賄うほか、余剰電力を日本製鉄株式会社(九州製鉄所)に供給しています。

煙道集塵機による黒煙発生の抑制

コークス炉の操業中に排出される煙突黒煙を抑制するため、煙道集塵機を導入・稼働させています(北九州事業所)。本装置は排気ガス中から煤を取り除き、クリーンな排気にして煙突に戻す働きをするもので、周辺地域に与える環境負荷軽減を実現しています。

成型炭製造設備による生産性向上

コークスの原料となる低品位炭に粘結材を添加して成型機にて成型し、原料炭に一定比率で配合する成型炭製造設備を導入・稼働させています(北九州事業所)。成型炭を配合することで、同一品質のコークスの製造コスト削減が期待できるほか、コークスおよび副産物の増産効果もあるため効率的な生産活動につながります。

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